[伝統的なデコレーション]

 プレセーピオ(プレセピオ、プレゼピオ)は、イエス・キリスト降誕の情景を描いたジオラマ(立体模型)のことで、主にイタリアでクリスマスを祝して飾られます。もともとはそれぞれの家庭で手作りのプレセーピオを飾る習慣がありました。馬小屋や洞窟をかたどった模型と幼子イエス、聖母マリア、聖ヨセフ(聖家族)の人形が組み合わされ、小屋(洞窟)のなかに羊やロバがいる場合もあります。このほか、小屋のまわりに羊飼いや羊の群れ、道を行き交う人々や仕事をする職人や商売人の姿を配したものも。さらに大掛かりなものになると、背景に山、急な流れの川、瀧、星空などをかたどったり描くこともあります。
 クリスマスを迎えるころ、教会や街のショーウインドウ、それぞれの家庭ではプレセーピオが飾られ、クリスマス・ムードが高まります。



[飾る時期は]

 イタリアでクリスマス(イタリア語でNatale=ナターレ)の準備が始まるのは、11月1日諸聖人の祝日を過ぎる頃から。お店のウインドウや家庭に飾られたプレセーピオは、華やかで厳かなクリスマス・シーズンの到来を告げます。



[片づける時期は]

 日本では、12月25日を過ぎるとクリスマスの飾りを慌しく片づけて、お正月の準備に入りますが、イタリアでは1月6日のエピファニーア(Epifania;イエスが神として世の中に現われたとされる日)の前日か当日に、クリスマスの飾り付けを片づけます。



[登場人物・動物たち]

・幼子イエス
 生まれたばかりのイエス・キリストは、布にくるまれ飼い葉桶に寝かされました。
・聖母マリア
 イエス・キリストの母。天使による受胎告知から9ヶ月後、イエスが生まれました。
・聖ヨセフ
 マリアの夫です。ヨセフはイタリアではジュセッペ(Giuseppe)と呼ばれます。
・馬・牛
 その吐く息で生まれたばかりの幼子イエスを暖めたという伝説もあるそうです。



[クリスマスはイエスの誕生日?]

 イエス降誕について書かれている聖書(福音書)はマタイ伝とルカ伝のふたつがあります。ただし日付については触れられていません。ですからクリスマスはイエスの誕生日ではなく、イエスの降誕を「記念する」日なのです。